hakusangogo

生徒の作品を掲載します! どうぞ、よろしく

その手を離してはダメ!

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せっかく見つけた人なのに、とことんその人と一緒にいるって、なかなかできないようです。

 

そりゃ、仕事もあるし、お腹もすくし、話のネタもなくなるし、つまらないことばかり話してもいられないし、他の人と一緒にいるというのも大事だし、ずっと一緒にはいられない。

 

だから、手を握っても、離さなくてはならない時が来る。それは仕方がありません。

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だからこそ、今握っている時間だけは、その人と一緒にいられることを喜びたいのです。どれだけ大事にできるかな。何が大事に時間を過ごすということなのかな。

それは自己満足ですか? いや、一瞬でいいから、しあわせだと思えたら、もうそれでいいんじゃないかな。

 

あつい夏そっと君の手握っても数秒たってそっと離した    AY

 

そうなのか、離してしまったのか。それだけで気持ちは通じ合えたんですね。それならよかった。もの足りなくて離したけじゃないよね。

 

私は、あなたのしあわせを祈っています。今、どんな恋をしているんだろうな。

みんなの声は空を飛ぶ

五月なのに、前線が西から近づいていて、今にも雨が降りそうです。どんよりしています。ヒンヤリもするのかな。でも、半そで一枚で過ごせるという微妙な空気です。

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五月って、何でもできそうな気がするのに、何にもしないとすごくもったいなく過ぎていきます。きっと実は何かを蓄えなきゃいけない季節なんでしょう。

神様からもらっていいのは、梅の実だけかもしれない。すべてがまだ私たちにはお預けで、私たちはこれに耐えられるかどうかで、今年一年が決まってくる気がします。

始まりは五月にあって、そこで何を地道にしていたのか、それが問われるのは年の終わり、しめくくりの時です。

 

たくさんの学校生活送りたいみんなの声が空に飛んでく   女子

 

ものすごく未完成な作品です。

何が言いたいのかもわからないし、どんなイメージがあるのかも伝わらない。

でも、気持ちは感じることができる。

でも、くわしいことが読む人には伝わらない。

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残念ではあるけれど、何となく、うすぼんやりと彼女のもどかしさは伝わります。

やりたいことはあるのにできていない。みんなはあれこれとしていると思うと焦ってしまう。

でも、私がやりたいことって何?

それもわからない。かくしてモヤモヤを抱え、空だけが黙って広がっている。

そうすると、空から何かが聞こえてくる。

 

そうです。あなたは耳を澄まして何かを聞いたらいいのです!

絶望の先の空は……

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彼はなかなか人と上手にふれあえない人でした。すぐケンカをしたり、自分のクセをからかわれるとパニックになったり、感情を上手にコントロールできないところがありました。

本人は、いたって真面目で、大人とはうまく対応できる部分を持っているのに、同級生のからかいには怒りの気持ちを抑えられなくなるようでした。

もう少し、上手に自分を人の中にまぎれこませることができたら、そんなにトラブルにはならないはずなのに、ついつい彼は個性的になってしまう。

ハナ水が止まらなかったり、何かについてついつい独り言を少し大きな声で言ってしまったり、他人がドキッとすることをしてしまったりするのです。

そして、まわりは、ついついそれをからかってしまう。かくしてケンカが起こるのでした。

 

まわりは、あまりよい世界には思えていなかったかもしれない。

でも、少しずつ彼は自分のポジションを見つけていったのです。

 

絶望で空を見上げたその先に映るはすばらしき世界

 

今は何をしているのやら、自分のポジションを見つけられたかな。簡単には見つからないかもしれないけれど……。

二季しかなくなった私たち

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何だかトンチンカンな歌ですけど、この子らにしてみれば、わりとフツーの感覚だったのかな。まあ確かに、温暖化した地球では、ものすごく寒いか、ものすごく暑いかのどっちかで極端に傾いてしまいます。

 

微妙な季節のゆらぎなんかなくなって、ものすごくどっちかです。一日でも、朝晩は冷たく、昼間は夏日とか、もうどっちにしたらいいのというのがよくあります。

 

安定的に暑いのは七月・八月なんだろうけど、それさえ当てになりません。夏でもずっと寒い日々が続くことだってあり得ます。さて、今年はどうなるんだろう。

 

テスト中窓から見える青い空夏が終われば冬来るような   男子

 

あの子の作品でしたか。忘れん坊で、遅刻もよくして、いつもトンチンカンなことを言うイメージでしたけど、そうではなかった。彼はいろいろと見ていたんですね。具体的な何かを一つでも入れてくれたらよかったのにな。

 

都会で空を見上げてる?

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都会の学校に進学していった彼女。一人暮らしでがんばっていることでしょう。

 

高校時代は、追っかけをしているアーチストのコンサートのはしごはしたでしょうけど、ずっと都会に住み続けるって、どんな感じかな。

都会の水は合ったのか、それともふるさとが恋しくなったのか、そんな数か月で出る結論ではないですね。いやでも住み続ける場合はあるし、ホントに都会の中で泳ぎ回る、水を得た魚になるかもしれないし、それは彼女自身もわからないかもしれません。

でも、独立独歩で自分の道をしっかり歩いていた彼女だから、どっちにしろ納得しながらやっていくんでしょう。イヤになったら、すぐにふるさとは受け入れてくれるし、ふるさとならふるさとでの生活スタイルもあるはずです。

 

夏の夜見上げた空の闇の中きれいな星を目に映し出す

 

星々をガシッとわしづかみにして、心の中で映じて見せる二段階作業をするんですね。ボンヤリみているのはイヤみたい。星を見たら、それをすべて取り込んで、自分のものにして、見たまんまというのか、自分流に星空をアレンジしてしまう。

 

これくらい活力がないと、コンサートのはしごはできないんだ。追っかけするって、ものすごい情熱ですもんね。

おかたづけしましょう!

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お片付けしよう! というと、私はドッチラケの身のまわりを何とかしなくちゃいけないのですけど、若い人たちにもそれぞれのお片付けがあるんでしょうね。

 

ゴールデンウイーク、むやみに休みが設定されていて、来年なんかは時代の節目ということで十連休になるということでした。

こんなに休みばかり設定しても、お金がないんですから、何も楽しめないじゃないですか。

文句を言っても始まらないし、もっと詩的にならなくてはいけません。

 

大掃除「終わりそうにはなさそうだ」

卒アルながめ

つぶやいていた            女子

 

啄木の三行書きが似合う短歌でした。

 

たぶん部屋の掃除をしようとしていた。あれこれと取り出す中に卒業アルバムが見つかった。ついつい見ているうちに、何も片付いていない部屋の中で所在なげな自分を見つける。

いつまでたっても、片付けがすまないなと半分諦めた感じでつぶやいてみた。

 

そういう短歌でした。よくあるといえばよくある風景です。

でも、彼女らしい切り口で描かれているような気がします。

首振りしない扇風機

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四月が終わろうとしているだけですけど、夏の気分はありますね。

 

休日の夕方、窓を開けて網戸にしています。どこかのおうちで焼き肉でもしているのか、ずっとオバチャンの笑い声がしています。お年寄りの焼き肉なのか、そんなに肉々しい匂いもしませんね。みりん干しを焼いている匂いがしますよ。

 

三連休の終わりの日の夕方としては、わりといい感じです。オバチャンたちの笑い声もいやな感じがしません。一日の終わりを惜しんでいる気配が満ちている。

 

でも、着実に暑い夏はやってきます。もうどんなにもがいても、確実にやってきて、私たちは身もだえすることでしょう。エアコンの部屋に入ったとしても、そんなのは気休めで、そこを出たらすぐに地獄の熱気に襲われることでしょう。

 

あつい夏首振りしない扇風機そっとながめてふっとため息   AY

 

もうどうしようもない暑さの前に、私たちのすべての道具はパンクしてしまいます。どうしようもない暑さの中で、どうにもならない自分をそこに見つけて、ただ時間が過ぎて疲れて寝てしまうまで、私たちは耐えるしかありません。

 

温暖化の世界へ、私たちはオンボロ扇風機を抱えて立ち向かうしかありません。エアコンでは無理です。ウチワでもいいかな。氷枕はどうだろう。タオル一枚というのもいいかも。蚊取り線香もいるのかな。

 

シンプルな道具で、夏に立ち向かえる体力も持たなくちゃいけませんね。