彼はなかなか人と上手にふれあえない人でした。すぐケンカをしたり、自分のクセをからかわれるとパニックになったり、感情を上手にコントロールできないところがありました。
本人は、いたって真面目で、大人とはうまく対応できる部分を持っているのに、同級生のからかいには怒りの気持ちを抑えられなくなるようでした。
もう少し、上手に自分を人の中にまぎれこませることができたら、そんなにトラブルにはならないはずなのに、ついつい彼は個性的になってしまう。
ハナ水が止まらなかったり、何かについてついつい独り言を少し大きな声で言ってしまったり、他人がドキッとすることをしてしまったりするのです。
そして、まわりは、ついついそれをからかってしまう。かくしてケンカが起こるのでした。
まわりは、あまりよい世界には思えていなかったかもしれない。
でも、少しずつ彼は自分のポジションを見つけていったのです。
絶望で空を見上げたその先に映るはすばらしき世界
今は何をしているのやら、自分のポジションを見つけられたかな。簡単には見つからないかもしれないけれど……。