
N県の高校の生徒20人ほどがF県の学校まで遠征する途中で、バスは事故を起こして、1人の高校生の命が失われてしまいました。
学校はバス会社に依頼したといい、バス会社はレンタカーを手配して、運転手は適当にみつくろって紹介してあげて、クラブはいつものように遠征に出かけていった。学校も会社も、いつものことだったようです。今回の会社は、地域ではそれなりに大きなバス会社なのだと思われます。
会社は、いつも通りに運転手付きのレンタカーを手配したのでしょう。学校としては、事故が起きて、「いやいや、会社に依頼したのであって、レンタカーを頼んだのではない」と言わざるを得ません。
いつも通りのそれぞれの関係だったのです。けれども、事故が起こったら、会社として請け負ったのなら、会社が負担するしかありません。学校は、責任は会社にある、という言い逃れが成立させようとします。
けれども、一番安いバス移動だと、運転手付きのレンタカーだったわけで、手配はバス会社がいつもしてくれるものだったんでしょう。事故が起きたときのトラブルは、想定外だった、というか、考えないことにしていたのではないでしようか。
授業料は、私立学校も税金によって負担されるというシステムにはなりましたが、学校の諸費用は当然のことながら、受益者負担であるのは当たり前で、子どものクラブ活動を支援する保護者は、学校の提示する額のお金を用意して、小遣いも持たせて遠征に送り出すしかありませんでした。何もかも学校にお任せしていた(K府の私立高校の事故も、発生してからバタバタしていますが、親はもうすべて任せてしまっていた。)
遠征は、近くの学校と試合をすればいいものを、なるべくなら近くの学校には手の内を見せずに、こっそりと力を付けさせたいし、遠征旅行によってチームの結束も高めたいなど、いろいろな目的で行われています。電車で行けるところであればいいけれど、現地での利便性を考えれば、自分たちが大きな車に乗って全員で移動する方が経済的でした。
そして、一番安い方式はというと、クラブ顧問が大型自動車を運転するのはリスクが大きいから、
(といっても、今も自分の人生をかけて運転している顧問の先生もおられることでしょう。その時の責任者は公立学校であれば、そこの教育委員会だし、私立学校であれば、その学校の理事長みたいな存在になるでしょう)
大型車の運転は業者に依頼するしかなく、おそらく金額はピンからキリまであるはずだから、最低価格での移動手段で行くのが経済的でした。
かくして、綱渡りをしているクラブの遠征は、今も行われ、これからも続いていく。その時に起こる事故の責任を負う人はいなくて、今回であれば、悪いのはすべて運転手みたいになってしまう。
この運転手さんを支援するシステム・保険は、運転手さん個人の保険になるんだろうか。なんという危ない橋を渡ることになるようです。
遠征はこれからも行われる。大型車でみんなが移動する。教員は運転しない方がいい。学校側もそれを認めている。請け負いで頼まれた人は、これまた人生をかけて運転するしかない。
かくしてあいまいなまま、あまりオススメできない移動方法でクラブ遠征は続く。
もう、そんなことはやめたらいいのに、
高速道路もできたし、いろんなところと試合させたい!
なんて、クラブの指導者は思うのでしょう。そんなリスクを抱えて強くする意味なんかない。学校も運転手も生徒も、自分のことしか守れないのだから、行かなくていい遠征なんてしなければいいのだと思う。
でも、たぶん、誰も何もアイデアを出さないまま、今のシステムは続きそうな気がします。










