五年前、フェリーに乗って宮崎に行きました。そしたら、怪獣の展示をやっているというので、だったら見に行こうかと、見に行ったら、ゴジラとモスラのジオラマとか、作ってありました。確か初日だったような気がします。
よくもまあ、宮崎まで行って、怪獣を見に行ったもんですね。のん気だ!
でも、私はもう何十年も怪獣が好きでした。そんなのあるわけはないんだけど、でも、私たちの町が怪獣に襲われるのを夢見てきました。
夢はいつも夢のままで、現実は厳しく、淡々と生活しなくてはならないことばかりです。絶対に怪獣は現れないし、私たちはボンヤリしていると世の中の流れに置いてきぼりになるばかりです。
それで、あわてて、「あれ、今私は何をしなきゃいけないの? ちよっと、みんな待ってくれよ!」とあわててみんなの姿を探すんでしょう。
世の中は、どんどん動いていくし、怪獣みたいなのんきな存在はいない。誰も目の前でガオーッと言ってくれなくて、足もとから私の立ってるところは崩れていることでしょう。
うっかりしていたら、私みたいなボンクラは、世の中のカスの中に埋もれているはずです。
今でも、たくさん埋もれているけれど、せいぜい足を動かして、世の中でもがいて行かなくちゃ!
もう、怪獣なんか諦めて、お金の亡者になるかな。いや、それも無理ですよ。
どうしたらいいんだ! 金はない。財産もない。仕事はまだある。年金もない。貯金もあまりない。ああ、考えたらきりがないです。
自分の食べるもの、それを考えなきゃいけないな。