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日本一の下剋上 2018

 

「日本一の下剋上です」

そんな言葉を生み出した高校生がいた。

野球部のキャプテンだった。

いろんな人に、自分たちのやれることを示したい!

そんな夢でも見てたのか、そう確信してたのか。

 

いや、ただ見返してやる、自分たちのチームは不屈だ、やってやるんだ。

そう思い続けて試合を重ねてきたんだろう。

彼らの矜持だったのだ。

 

そして、高三の夏に、たくさんの人々へ自分たちの輝いている姿を見せつけてくれた。

それは誰にもできない、彼らならではのことだった。

 

私たちはその姿を目撃した。

もう止められなかった。

とことん行くところまでやってやる。

そんな感じだった。ものすごい勢いがあった。

 

それから二週間後の甲子園では大敗してしまった。

でも、スタンドは彼らが輝く姿を見たくて、いつまでも応援したいと思っていた。

凡打になろうが、相手の校歌だろうが、夜になろうが、満員のスタンドはいつまでも彼らを応援した。

スタンドの人々も「下剋上」を応援し、自分もそうなりたいと思ってたんだろう。

 

試合は終わり、選手たちはふるさとに帰った。

でも、下剋上魂は、彼らがいるところでずっと続いていくんだ、きっと。

 



ほんとなのかな? まあ、どっちでもいいや!

 

 ネットで見ていたら、五年前の甲子園に出た下剋上球児たちだった、その子らがエキストラで出て、甲子園にドラマで出ていた、と書いてありました。

 

 本当なのかどうか、よく見てみましたが、わかりませんでした。もう五年も経過しているから、本人たちが現われても、私にはわからないかもしれません。

 

 だから、確かめようがないのです。でも、五年前の夏を思い出させてくれるのが何であろうとも、それはそれで懐かしく、そんなこともあったねえと思い出せます。

 

 具体的に何が? どんなことが? というのはなくて、暑くて、しんどくて、一瞬に過ぎて行って、終わったらサッサと帰って、次の日も仕事で、落ち着かないけど、何だか充実感があった日々でした。

 

 私は何もしていないのだから、ただ有難がればいいだけですけど、それにしても、いい経験のできた夏でしたね。もうあんなことは二度と起こりません。淡々と過ごすだけのことで、スケジュールの中で日程が処理されていくでしょう。

 

 でも、もう一度火がついたら、私みたいなものでも参加できるだろうかな。

五年前の夏、五年後の冬

 今年は、あと二週間ほどです。2024年になってしまいます。オリンピックもあるんでしょうか。でも、あまり興味ないですね。パリでどんなすごい記録や、すごい選手が出たとしても、もう私たちは喜べない気がします。

 

 テレビやマスコミなどが騒いでいても、そんなのウソだろ、と思うだろうし、誰がメダルを取ろうが、本人は頑張ったし、達成感はあるだろうけど、世の中がこんななのに、とてもお祭り騒ぎなんてできません。2024年になって、すべての戦争・紛争が終わるでしょうか? 終わらない気がします。

 

 それなのに、五年前の夏の私たちは、とんでもない忙しさに見舞われ、とんでもない経験をさせてもらいました。生徒たちと学校関係者と、町の人と、そんなにたくさんの人ではなかったとは思うけれど、どういうわけか、いろんな人たちがやって来ました。みんな何かあそこでとんでもないことが起こったから、それを見て来い、取材しろと言われてきたんでしょう。

 

 大騒ぎは、七月二十五日から八月十一日まででしたけど、あれは私たちだけしか経験できない日々でしたね。関係者だから味わえるドタバタ劇でしたよ。

 

 当事者じゃないと経験できないことって、あるのかもしれないです。そして、それは永遠に続くものではないけれど、いつかは終わるものなんだけど、その経験は消えなくて、いつまでも当事者の心の中で燃え続けている。

 

 だから、五年後の冬を迎える私でも、確かにそんなことがあった。全く条件的には報われない、弱小チームであったのに、たまたまそこに集まった選手たちに連れられて、みんなでいろんな夢を見て、みんなで試合を作り上げ、みんなでそれを終わらせたんでした。

 

 2018年の夏、お盆とか、何をしたのかまるで記憶がありません。それなのに、お盆の前のあの日々だけは記憶に残っている。

 

 たまたまドラマによって、もう一度思い出せたのだけれど、関係者以外の人たちに、ドラマはどれだけ夢を見させてくれたのか、私にはわかりません。ただ、同じように夢を見てくれたら、うれしいなと思います。

 

 きっと、いろんな逆境にいる人たちにエールを送るドラマだったんですね。もう終わりというのは悲しいけど、また明日から、私は私の道を歩いていかなくてはと思わせてもらいました。うれしかった。懐かしかった。

 

 みんなも、あの時のこと、思い出して、また明日から頑張ってもらえたら、うれしいです。私たちには、とても懐かしいドラマでしたね。

 

下剋上って、流行ってる?

 

土曜の夜です。もう、明日のドラマが楽しみだよね~。何かクセになりました。

 

明日で甲子園が決まるのかなぁ~。決まったら、あとは忙しかっただけですけど、まわりが騒いでくれましたよね。 

 

確かに出場そのものがニュースでした。

 

もう、あんな盛り上がりはできないです。実現したとしても、2回めということで、騒がれないです。

青春ドラマ 2023

 

 私より一つ年上の友人が、「朝、青春ドラマを味わっている」なんてメールをくれます。毎日ではないけど、わりと彼はそれを楽しみにしている気配があって、「どうせ、たいしたことはないし、彼ひとりが盛り上がっているんだろうし、誰も彼のことなんてただのオッチャン、ジイサンとしか見てくれないよ」なんて思ってしまうけど(もちろん、自分のことも含めて)、彼にはそれが大事なことなんだろう、なんて思ってしまいます。

 

 まあ、私どもは、いくつになっても青春ドラマの主人公になりたがるのです。気持ちだけは。でも、実際は、そんな風にはなれなくて、ずっこけたり、ハーハー言ったり、体がついて行かないのです。みんなから取り残されても、「青春ドラマ」とわめいたりするかもしれないけど、それにあこがれはあるんでしょうね。

 

 昨日、「下剋上球児」の第8回をやってました。あそこでも青春ドラマがありました。ああ、そんなことなのか。

下剋上球児 第7話 2023.11.26

 第7話は、2018年の夏の大会が始まり、ベスト8までいったというところでした。わりとトントン拍子で勝ち進みました。

 

 あまり生徒のみなさんたちが教室で授業を受けるシーンがほとんどないのだなと思いました。そりゃ、監督の南雲先生が先生じゃなくなったのだから、そのシーンは必要なくなったし、他の生徒役を集めるのが大変ですから、余計なシーンはカットしたようです。そりはまあ、それでよかったのですね。

 

 決勝で勝ちきるまであと6日という字幕も出ていたので、あら、来週で終わりなのかなと思いましたけど、まだ続くという話もあります。仕方がないので続けてみてますけど、本当の物語はあんなものじゃなくて、もっと長い、延々とした努力があったと思うんです。でも、何だかホイホイ勝ち進んでしまった。

 

 もっと長く続く屈辱の日々を描いてほしかったけれど、それは難しかったみたいです。まあ、そんなものか。何もわかってない私が言えることではないですね。