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五年前の夏、五年後の冬

 今年は、あと二週間ほどです。2024年になってしまいます。オリンピックもあるんでしょうか。でも、あまり興味ないですね。パリでどんなすごい記録や、すごい選手が出たとしても、もう私たちは喜べない気がします。

 

 テレビやマスコミなどが騒いでいても、そんなのウソだろ、と思うだろうし、誰がメダルを取ろうが、本人は頑張ったし、達成感はあるだろうけど、世の中がこんななのに、とてもお祭り騒ぎなんてできません。2024年になって、すべての戦争・紛争が終わるでしょうか? 終わらない気がします。

 

 それなのに、五年前の夏の私たちは、とんでもない忙しさに見舞われ、とんでもない経験をさせてもらいました。生徒たちと学校関係者と、町の人と、そんなにたくさんの人ではなかったとは思うけれど、どういうわけか、いろんな人たちがやって来ました。みんな何かあそこでとんでもないことが起こったから、それを見て来い、取材しろと言われてきたんでしょう。

 

 大騒ぎは、七月二十五日から八月十一日まででしたけど、あれは私たちだけしか経験できない日々でしたね。関係者だから味わえるドタバタ劇でしたよ。

 

 当事者じゃないと経験できないことって、あるのかもしれないです。そして、それは永遠に続くものではないけれど、いつかは終わるものなんだけど、その経験は消えなくて、いつまでも当事者の心の中で燃え続けている。

 

 だから、五年後の冬を迎える私でも、確かにそんなことがあった。全く条件的には報われない、弱小チームであったのに、たまたまそこに集まった選手たちに連れられて、みんなでいろんな夢を見て、みんなで試合を作り上げ、みんなでそれを終わらせたんでした。

 

 2018年の夏、お盆とか、何をしたのかまるで記憶がありません。それなのに、お盆の前のあの日々だけは記憶に残っている。

 

 たまたまドラマによって、もう一度思い出せたのだけれど、関係者以外の人たちに、ドラマはどれだけ夢を見させてくれたのか、私にはわかりません。ただ、同じように夢を見てくれたら、うれしいなと思います。

 

 きっと、いろんな逆境にいる人たちにエールを送るドラマだったんですね。もう終わりというのは悲しいけど、また明日から、私は私の道を歩いていかなくてはと思わせてもらいました。うれしかった。懐かしかった。

 

 みんなも、あの時のこと、思い出して、また明日から頑張ってもらえたら、うれしいです。私たちには、とても懐かしいドラマでしたね。