ネコのいる帰り道

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 彼は弓道部でした。現役時代はめざましい成果はなかったかもしれないけど、団体戦に出たり、チームの柱になれる優しい先輩だったようです。

 その彼はあまり語りはしなかったけれど、それなりに悩み、苦しみ、恋に失敗し、傷つき、また立ち向かいして、将来は家業を継ごうと考えていました。

 結果は、あと十年後か、それとも意外と早くか、家業を継いだたくましい姿を見せてくれる日もあるんでしょう。

 それを私が見られるのかどうか、見ても気づくかどうか、本当に私って、あてにならないのです。

 彼は何によって気持ちを穏やかにできていたのか。そのヒントになるのが次の作品です。

 

帰りみち猫の姿を見たときにぼくの心はなごんでいた   男子

 

 彼の優しさは小さな生き物たちと触れ合うことで生まれていたようです。それを自分でもわかっていたようで、自分の心の不思議をいくつか描いていました。

 家族や小動物、いろんな他者とふれあうことで、彼は癒されていた。