もう何十年も前、私も生まれてないし、日本が戦争をしていたのかどうか、たぶん、それは終わってたのかな。
そういう時代に、カゴシマから都会に出ていた父が、この街あたりに住んでいたということでした。あれこれ説明はしてくれたんですが、イマイチわかっていなかった。
どうしてそんなところに住んでいたの? そのころどんな仕事してたの? お母さんとはどんな風に出会ったの? もっともっと聞いておけばよかったことがたくさんありました。市電も走っていたと思われますが、そんなところで父は何を目標に生きていたんだろう。
戦争は終わっていたんですよ。父は、日本のゼロ戦がアメリカの飛行機に撃ち落とされるのも見たことがあった、というのを聞かせてもらったことがあります。
そういう時代を乗り越えて、やっと平和が来たけれど、みんなが貧しい、産業もさっぱりの、未来が見えない日本で何をめざして生きていたんだろうな。
あらためて、父とお話しできたらいいんだけど、残念ながら父はこの世にはいません。反省は尽きないですけど、改めて何かを話しをすることって、誰かの力がないと進まないものでした。
全く何も知らない存在の人が、「どうして?」と立ち向かってくれると、そこから突破口が開かれるものですが、父にだれかが「どうして?」と質問してくれませんでした。質問があると、次から次と閉まってたドアが開かれるのだけれど、なかなか自分では開けられないようです。
みなさま、もしよければ、まわりの人に、どんどん「それはどうして?」と聞いてください。面倒な場合もあるけど、素直に聞いてくれたら、何だか話ができそうな気がします。そういう突破する力は、若い人にしかありません。どうぞ、その突破力を生かして、いろんな壁を突き破ってくださいませ。どうぞ、よろしくお願いします。