みなさん、お元気ですか? 今日、私は中原中也という人の詩「少年時」というのの動画を作ろうとしました。だいたいはできたけれど、あまりにつまらないので採用しないことにしました。ザンネンです。
そんな、私の声で朗読したって、つまらないです。何だかガックリです。仕方がないので、詩だけ載せてみます。
少年時 中原中也
黝(あおぐろ)い石に夏の日が照りつけ、
庭の地面が、朱色(しゅいろ)に睡(ねむ)つてゐた。
地平の果(はて)に蒸気が立つて、
世の亡ぶ、兆(きざし)のやうだつた。
麦田には風が低く打ち、
おぼろで、灰色だつた。
翔(と)びゆく雲の落とす影のやうに、
田の面(も)を過ぎる、昔の巨人の姿――
夏の日の午(ひる)過ぎ時刻
誰彼の午睡(ひるね)するとき、
私は野原を走つて行つた……
私は希望を唇(くちびる)に噛(か)みつぶして
私はギロギロする目で諦(あきら)めてゐた……
噫(ああ)、生きてゐた、私は生きてゐた!
この詩は、何だかけだるい感じです。でも、それでも、少年の時の私は、それなりに生きていたし、何かを感じながら、誰かに自分の気持ちを伝えたいんだけれども、どこにも行き場がなくて、じっと耐えながらたたずんでいる、そういう雰囲気の詩です。
ちょうど、今の状況のみんなと同じ感じです。まさか、みんなと全く同じではないけど、でも、モヤモヤとした気持ちで、自分の気持ちを抱えながら、どうしたらいいのかわからないままにボンヤリしている感じ、でているでしょ? どうですか?