以前、学生支援機構に電話したことがありました。日本全国を相手にしているところだし、ここに用事のある人は、何だか込み入った内容の問い合わせに来ているわけです。簡単に聞いてすぐ終わりというわけにはいきません。
そして、窓口はたいてい通話中か、何回かけても通じないのです。
それで、たまたま通じた時には、たぶん、電話は通じないかもしれないので、faxで問い合わせの件を尋ねてください。そうしたら、お応えできるかもしれません。と、教えてくださいました。
きっと向こうも少ないメンバーで全国を相手に、無理難題をふっかけてくる応募者たちに対応しなくてはいけないし、苦肉の策だったことでしょう。そうすると、向こうで時間を作って対応してくださるらしい。
そもそも、どうして日本にはちゃんとした奨学金がないんだ? よその国は、もう少し勉強をやりたいけれどもお金がない優秀な若者を、国家全体で支えようという考え方がありました。
それに比べて、日本の奨学金は、専門学校でもどこでもいいから、とにかく進学したい若者は、国がお金を貸すから、それを卒業後すぐに働いて、どんどん返してくれよ。お金の取り立ては別の組織でやるんだぜ、だから、それは怖いぜ。だから、ちゃんと連帯保証人も付けて、ちゃんと返すんだぜ!
そういう国家がやっているローン組織でした。国民皆さまのお金ですから、借りる方も、心して借りて、卒業したらさっさと返してくださいよ。という考え方であり、根本が違っているのです。
教育を支える安全弁ではないのです。これは国家によるローンの運営です。家だって、土地だって、起業だって、すべて国に奉仕してもらうための、その前段階のローンでした。育てようなんていう甘い考えは一切ないのです。
今日も、明日も、契約は続いていくでしょう。何万といる生徒たちに借金をさせて、本人たちの自助努力で返済させるシステム。これはいつまで続くんだろう。
みんながこれでいいと思っているみたいだから、私は何とも言えないけど、もう少し有能な若者を育てるためのローンであってくれればと思うんです。