わりと面倒見がいいんだとビックリしたのが次の歌です。
子守りするいとこの子ども七人で私は次の日体が痛い 男子
冷めたところのある子だし、小さい子の相手なんてやってらんないよ、とでも言いそうな感じなんだけど、そうではありませんでした。
きっと小さい子七人の子たちに、それぞれ指示を与え、おもしろいことをしてあげる、優しいお兄ちゃんなんですね。風貌はわりとコワモテで、気に入らないことがあると怖そうでしたが、違うのです。
その彼が、こんな歌を作っていましたが、後半がもったいない。
海面にオレンジ色の道できるどこへ行くのか自分に聞いて
後半の行く人は、作者なのだと解釈して、そういう海辺で夕日を見ている。どこへ行くのか夜も近いのに行く当てがないような口ぶりです。何だか不安になるような後半です。
太陽の光だとしたら、空から海に降り注いだ光が私の方にやってきて、私に「どこへ行ったらいい?」と訊ねるとしたら、太陽からの問いかけみたいで、おもしろいといえばおもしろいけれど、よくわからなくなってしまいます。
たぶん、どこへ? というのを自問自答していると思うんですけど、キラキラと自問自答がどういうつながりなのか、もう少しわかりやすくしてくれた方がよかったんではないでしょうか。
どうでしょう?
彼が海のキラキラを詠んでいることが新鮮でした。あとは伝え方ですね。