風を起こせ!

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 この夏、たくさんの話題を巻き起こしたチームの面々。

 よく言われているけど、彼らにも先輩がいました。ものすごくよく打つ、今のメンバーのお兄ちゃん、彼は地元の中学から迷わず進学して、一年から中心選手として活躍していた人でした。

 

 真面目過ぎるのか、世の中の裏が見えすぎるのか、そういうものと対立し、批判することもありましたっけ。

 

 残念ながら途中で辞めてしまいます。もう少しチームにとどまっていてくれたなら、どう変わっていたのかどうか……。

 

この夏は脱水症状なりかねない 死なないように頑張ろう

 

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 1年生の時、バリバリで活躍していた1学期末のテストでお兄ちゃんはこんな短歌を書いていました。

 

 野球部の夏を乗り越えられるのか、不安もあったんでしょうね。最後の「頑張ろう」にあと2文字足しても、何だか物足りなさはあります。

 

 でも、不安と希望とが入り混じっている作品なのかなと思います。

 

 弟さんは、甲子園の近くで、新しい朝を迎えているでしょう。朝の練習とか、合宿先でどんなふうにやるのか、慣れていると思うけど、せいぜい頑張ってもらいたいなあ。

 

色づく風景

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彼女はいつの間にかひとりぼっちになっていました。

高校に入りたての頃は、いや二年生の初めくらいまでは、みんなと楽しくやれているような雰囲気がありました。

でも、彼女が原因か、それともまわりが変化したのか、少し言葉が過ぎることもあったから、彼女が原因をつくっているところもあったのか、もう誰とも話さない。いつもひとりでポツンといる、そんな人になってしまっていました。

 

彼女の二年生の初めの作品。

 

色がつく黒白だった風景にこの一瞬は大切なんだ

 

空が大きく色づく一瞬を描いた作品なのかなと思っていました。

くわしいことは聞いていません。でも、その瞬間を切り取れた気がします。

もう少し説明がいるのかな……。

 

今、彼女はお仕事をがんばっていることでしょう。

根は真面目で、どんどん先にやりたい方だったものね。

真面目過ぎてまわりと折り合いがつかなくなったのかもしれないな。

元気でいるといいんですけど……。

 

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かき氷と梅雨と

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物静かな彼は、短歌の中ではわりとはじけていましたよ。

 

あれ、こんな作品を書く人なんだと毎回楽しみにしていました。いろいろと工夫をして、折々の気になるものを作品にしています。

 

1年生のころは、ハッチャケています。本人そのものは至って地味で物静かなのに、ものすごいギャップがありました。

 

夏は海かき氷食べ泳ぐ快感 たまんないぞ夏の快感

 

繰り返しはわざとですね。おもしろいととるべきか、くどいと注意するべきか。

私はおもしろいかなと思ってましたが、コンクールなどでは相手にしてもらえませんでした。あまりにそのまんまで、しみじみ感がなかったのかな。

 

うんざりだ気分乗らない梅雨の時期やがて気分も空も晴れるか

 

こちらは2年生のころの作品です。ひたすらスカッと晴れた夏を待ち望んでいる感じです。

 

彼にはどんなナツがあったのか、全く聞かせてもらえなかったけれど、いろいろあったんでしょうね。まさかオタク系だから、閉じこもってゲームしてたとか、そういうことはなかったと思うんですけど……。

心をととのえて、さあ甲子園!

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野球部の子が、1年生の秋に作った短歌があります。

 

運動会走る少年を見てなぜか落ち着くわたしの心

 

こち亀」の両津勘吉さんに似ているという、実直でおっとりしていた彼。

短歌のリズムはわかっていたと思うのですが、なぜか六七三七七です。

 

穏やかな彼のことだから、彼は天性のキャラでそうなのだと思っていました。

 

けれども実際は、彼だってあれこれと心をととのえているんだとわかり、わたしたちは、今さらながら驚いたものでした。天性の穏やかキャラなんていないのかもしれません。みんな心をととのえているんでしょう。

 

自分はもう運動会から遠ざかってしまったという悲しみ・寂しさだと私は解釈していました。でも、別の方は、速く走れない子を見る安心感・優越感だと解釈されていました。いろいろな解釈が成り立つということは、作品が一人歩きできているということです。この作品ももう動き出していました。

 

ひとり立ちする作品は、作者の元から離れて共感を呼びながら広がります。たくさんの共感者がいたら、みんなに愛される作品になります。

 

運動会走る少年見ているとなぜか落ち着く私のこころ

 

少しだけ変更して短歌のコンクールに送ると、見事入選しました。世の中って不思議です。形が整っていると、スンナリ人の心に入っていくのです。

 

彼は、きっと今も安定してお仕事をしているでしょう。あの安定感、ああいう子がメンバーにいると、チームは落ち着くんだろうな。

 

今年のチームは、三年生が主体です。人の集まりだから、いろいろな役割があると思いますが、彼みたいなオットリした人いるかなあ。まあ、とにかくがんばってもらおう!

 

みんなそれなりに安定感あるかな……? そう、祈りたいです。

なつまつりだれといっしょに?

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十代の頃、おまつりって楽しかったですね。

でも、大人になって楽しめるまつりって、あるんだろうか。

 

たぶん、まつりに積極的に関わっていないと、面倒で、自分の時間が取られてしまうから、とかなんとか理由づけて、遠ざかっていくような気がします。

 

大人が楽しめるまつりを持っている地域は、大人にとってもしあわせなところだと思われます。面倒でも、大変でも、責任があったとしても、それでも関われるおまつりがあるところ、うらやましいです。

 

夏休みいろんな祭りに行こうかな彼女と花火おもいで作り      男子

 

サッカー部で、ドリブルが上手かったという彼は、何人かの人とつきあい、別れしていたようです。この時の彼女はだれになるんだろう。私はもちろん知りません。

 

でも、こういう楽しみがあるというのは、本当にうらやましい。大人になって無理してお祭りに参加したとしても、何となく疎外感があって、見物はできるけど、

「これは私のまつりではない」なんていじけてしまうことがないように、

ぜひいろんな世界に関わって、盛り上げて、楽しむ。

そんなことができたらいいです。

気づいたら、まつりも何もないところに住んでいたなんて、何だか悲しい。

まるで砂漠!

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不思議なことばを聞くことがあります。

この絵にあるように「マジ、マンジ!」

いちおう韻(いん)を踏んでいます。さすがラップ世代です。

若者たちは、似たような音を重ねてリズムをつくろうとしている。

果たして「マジ、マンジ!」の意味は何だろう。私は、その通りだよ、という意味でとらえていますが、マチガイかもしれないです。でも、知らなくてもいいような気がします。

 

朝寒い昼は暑いが夜寒いこれじゃあまるで砂漠のようだ       男子

 

彼は、ずっと身のまわりのことをまじめにとらえ、真面目に表現しようとした人でした。だから、短歌のコンクールで表彰されたこともあります。この歌も最近の極端な天気を嘆いて、気温に振り回される私たちを描いています。

 

マジめな彼の作品を見ていて、ふと思いついたことがありました。

人にもそういう極端な人っているのかもしれないな、と。

そういう人は、ある時は人にやさしく、ある時はとんでもなく怖く、とんでもないことを考えていたりする。……それは私のことですか? そうかもしれない。

 

だれでも、そんな二面性を持っている。光と影、それは見られると、とても怖い。

でも、そんな私たちだから、なるべくそうした暗黒面を人にさらさず、他人のためになることをしていきたいです。この気持ちにウソはないです。でも、私の暗黒面が……そんなのチッャチイのかな?

ともだち、人との関係

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今の若い人たち、窮屈で何かに縛られているなあとオッサンの私なんかは思います。それでも、若い人たちは、その関係の中で生きていくしかないのです。

 

どうしたらもっと伸び伸びやれるんだろう。もうすべては音声も行動も何かでそのままチェックされているんですもんね。悪口なんか書いてたら、すぐに攻撃ごっこが始まる。大変な人間関係を過ごしていくんですね。なんだかかわいそうです。

 

話をし一緒に笑う大声でそれだけのこと大切なこと       男子

 

彼なら、一緒に笑える関係が持てたなら、そこでの関係は良好になったでしょう。

オッサンたちも、本来はそうなんだろうけど、なかなかそんな素朴な気持ちのやり取りができなくなっています。若者がうらやましい。

 

私の手冷たくなくて温かい人にふれたぬくもりだった      女子

 

こんなあたたかな人とのつながり、どれだけ私は感じているだろう。

不安になります。

 

若い人たち、何かを守らねばならなくて、何人かはマスクが離せなくなっている。

マスクなしの素顔で人とふれあえたらいいのに、それができない人、たくさんいるようです。

 

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