ひとりで奮発して、?万円かけて生徒たちの作品集を作りました。これが私の作った文集の最後のものでした。編集は自分好みで、わがままにピックアップして担当した全員の作品を載せたものでした。
どれもそれぞれに思い出があって、読んでみたら当時の彼ら・彼女らが思い出されます。まさに「文は人なり」で、当時の思いが入っているのだと思います。それらの作品の中で、一番最初に載せたのが「学校嫌い」の生徒の作品でした。
* 学校が嫌いだった K・I
学校が嫌いだった。人間も嫌いだった。当然のように自分のことも嫌っていた。そんな全てに否定的だったあの頃の自分が、もし今の自分自身を見たらどう思うのだろうか。僕は最近、そんなことをよく考える。
学校が嫌いだった。人間も嫌いだった。当然のように自分のことも嫌っていた。そんな全てに否定的だったあの頃の自分が、もし今の自分自身を見たらどう思うのだろうか。僕は最近、そんなことをよく考える。
僕の通っていた中学校は、小学校のすぐ隣にあった。顔ぶれは小学校の頃と変わらない。新鮮味はなかったが、六年間付き添ったことから、人間関係で不安になるようなことはなかった。初めのうちは、とても楽しい中学校生活を送っていたと思う。勉強にクラブにと忙しかったが、充実した日々が続いていた。
それが変化したのは一体、いつ頃からだったのだろう。はっきりした日付・時期は憶えていないが、次第にクラス内には他人の悪口を言い合う空気が形成されていった。まず、誰か一人の標的を決める。そして、その子がいない時にみんなで陰口を言って盛り上がった。僕はそれが嫌だった。なるべくそんな話には関わらないようにしていた。何かの拍子で口を滑らせてしまった時には、自分のことを責めた。そうして僕は、自分のことも他人のことも嫌いになった。学校へ行くのも煩わしかった。早く卒業してしまいたいと思っていた。
高校へ入学した。中学の時と何も変わらないと思っていた。「友だちなんていらない、そんな言葉はきれいごとだ。」本気でそう思っていた。けれど違った。同じクラスの子たちが僕に話しかけてくれるようになり、僕は考え方を変えた。最初は戸惑いだらけだった。人と話すのはとても緊張したが、それ以上の喜びも味わった。「友だちも悪くはないかもしれない。」そう思えるようになった。彼らがそう思わせてくれた。僕は学校が好きになった。
現在、とても充実した高校生活を送っている。毎日学校へ行くのが楽しみで仕方がない。土日も長期休暇もいらない。できれば毎日学校へ行きたい。そう思えるほどに楽しい。それもすべて高校で出会った人たちのおかげ。口には出さないが感謝している。ありがとう! [2007年6月]
3年生の6月に、中学時代と現在とをふり返って、そこから成長した自分を語ってくれていました。あまりおしゃべりな人ではなくて、ごく控えめで、けれども吹奏楽部で活躍する、とても前向きな人として解釈していたのですが、いろいろな過去を抱えて今に至っていたようでした。
3年生の6月に、中学時代と現在とをふり返って、そこから成長した自分を語ってくれていました。あまりおしゃべりな人ではなくて、ごく控えめで、けれども吹奏楽部で活躍する、とても前向きな人として解釈していたのですが、いろいろな過去を抱えて今に至っていたようでした。
中学の時に、たまたまその場のイジメ的な空気に染まってしまった。高校では、そういうことを経験することなく、まわりの人に素直に感謝できる人になったそうで、これもまわりの人の力をちゃんと吸収できた彼の力であったのではないか。そう思ったりします。

