ものすごく昔に、「ウルトラセブン」という番組がありました。子どもたちはワクワクしながら見ていたと思いますが、少しずつテーマがむずかしくなっていったということもあったみたいで、視聴率はそんなに上がらなくなったそうです。
それでも、全体のシリーズとして、子どもたちの心に残ったせいか、何度か再放送もされて、55年経っても、デジタルリマスター版が出るくらいに、いい大人たちがワクワクしながら見てたりします。
うちの子もいい年なんですけど、すべて録画して、いつでも見られる状況です。すごいでしょ。
写真は、ギエロン星獣というキャラクターです。ギエロン星というところは生物もいないだろうと、星そのものをターゲットにして、爆破する練習をしたそうです。そうしたら、その無生物のはずの星からこの怪物がやってきて、地球に復讐をしようとします。
ウルトラセブンは、かわいそうだし、気持ちもわかるんだけど、この怪物を倒し、物語は終わります。ただ、どんどん新兵器が生み出され、たくさんの犠牲者は残るし、そういう者たちは何も言わないままに消えていかなくてはならない。その無念さが私たちに伝わってくるんです。
私たちは、犠牲者にはなりたくありません。そして、加害者にもなりたくありません。でも、知らない間に誰かを傷つけているのではないかと、ふと不安になったりします。
その不安が大事なんだと思います。不安も何もなしで、私は何も悪いことなんかしていませんと言い切るヤツの方が信じられない。
私たちは、いつも自分のやってることを問われているんだなと思います。