今日の午後から、松坂城跡の宣長記念館の短歌会に参加してきました。三時間ほどかかる長丁場の、短歌批評会です。担当の先生は大変で、参加者たちの作品を一つ一つ丁寧にコメントしなくてはなりませんでした。
私は、自分の作品は出してないけれど、生徒たちの作品が二つあるということですから、賞状をいただくために、ずっとお話を聞かせてもらいました。
知り合いの方がいて、その人も、短歌に対するコメントが聞きたくて、毎年参加しているとのことでした。ああ、熱心な方もおられるんです。
さて、うちの子の作品は?
汗ぬぐい空を仰げば真っ直な弓矢のあとにしみじみとする 三年 男子
これを入選にしていただきました。
普通なら、「しみじみとする」という言い方はしないものなのだけれど、これは弓道部の子が自ら放った矢の光跡がじっと見えていて、その跡をずっとイメージしている作品ですね、というふうに評してもらいました。
だから、「しみじみ」が、いつまでも自らの矢のイメージを追いかけている若者らしさと受け止められました。それがいいということでした。
本人は、弓道部ではないし、弓矢なんて手にしたこともないし、弓を弾いた経験もなかったそうです。
だったら、どうして弓矢なんだろう?
本人は、地上の弓矢ではなくて、空にかかる矢の飛んでいるような雲のことを描いたのですということでした。
そうなんか。飛行機雲だったのか。それを弓矢のあとと表現したのですね。
何はともあれ、賞状をいただきました。それはよかったなあ。