打順ごとに見てもらいましょうか。あの夏、彼らはこんなふうに書いていました。
トップはショートの選手です。
夏の予選戦闘開始は二ヶ月後長く思うか短く思うか 5月
二週間あと二週間で一回戦五十五人で目指す甲子園 7月
甲子園思った通り夢の場所 10月
冬は嫌寒いの嫌い冬は嫌 12月
そうでしたか、甲子園は思った通りだったんですね。それはよかったなあ。
二番はセンター、甲子園でも最初にヒットを飛ばしました。
夏の夜空を見上げて黄昏(たそが)れる 5月
甲子園高校球児の夢舞台 7月
夏の日に立っちまったよ夢舞台 10月
春の夜やっとの思いで付き合った今も変わらず大好きですよ 12月
春からずっと今もつきあっているということですね。成長したんだろうな。大事にしてもらわなくては!
三番は小さな巨人と言われた彼、確かにタフになりました。この夏の大きな驚きでした。そんな位置を獲得していたなんて、やりましたね。声は相変わらずソフトなんですけどね。
暑いから気をつけようね熱中症 5月
夏が来た今年の夏はなにをしよ 7月
これからは大事な時期だがんばろう 10月
だれる時期気をひきしめよ3学期 12月
この3人、飄々(ひょうひょう)とした味がありました。よくぞ、相手を打ち崩してくれました。この3人がぶち当たり、クリンナップで返す形、はまりましたね。
7月の俳句、何を考えていたんでしょうね。自分の進路のこと? それとも、他のこと? そうした気分でいたのに、熱心にチャンスを引き寄せたのは彼らでした。