高校野球、夏の大会は第100回を迎えています。各地で予選が繰り広げられ、勝ち抜いたチームが全国大会を行うことになります。
テレビ中継される本大会も、見る人の心に何か残るものがあるでしょうけど、実際に野球場で試合を見るというのは、ものすごく大変なことではあります。
選手たちは鍛えているから、少しくらい太陽の下にいたとしても大丈夫です。でも、普段何もしていない私みたいな人間は、それはもうヘロヘロになりますよ。
大変だ。開幕式が行われています。ただ一直線に並ぶだけなのに、行進する曲が入ったり、おえら方が並んでセレモニーが行われるようです。
観客は、スタンドに座っているだけですでにしんどいのです。お尻は暑い。体の前面は当然ジリジリする。去年は倒れそうになった子とかがいたり、ずっと医務室にいた子もいましたっけ。とにかくハードな現場です。
とりあえず、覚悟してスタンドに構えています。暑いのは承知です。日焼け対策もバッチリです(たぶん)。
でも、お客がどうしてこんな暑いところにいなきゃいかんのか、高校野球の不条理ですね。木陰がいっぱいの野球場ってないんでしょうかね。
観客席に大きな木が生えているなんて、どこかで見たことがありましたっけ?
高架駅のホームにニョッキリと木が生えているのって、京阪電鉄にはありますけど、スタンドに生えているのってないかもしれない。アメリカにもないですね。あるのかな?
小学生二人が始球式を務めます。男の子は高校野球を四年後にやりたい。女の子は野球部のマネージャーをやりたい。という本人たちの希望がアナウンスされました。
もちろん、その後の夢もあるだろうけれど、とりあえずみんなで盛り上げるための舞台設定はできあがりました。すべてが高校野球につなげられています。
二人は思い思いに投球をして、届かないボールもあったけれど、そんなことはどうでもいい。セレモニーはバッチリでした。
ベンチに入れない選手たちは、スタンドで応援することになります。
探り探りの応援も、少しずつ気合いが入り、声も出ていたようです。
試合は、先攻をしたチームが相手のエラーで一点をもらってスタートしました。
そのウラ、私の応援するチームは、すべての選手がいやな球はカットしながらタイミングをはかっているようでした。かなり集中して試合に入っていた。
その結果、前に飛んだ打球は魂がこもっているみたいに飛んでいき、選手たちはクルクルとベースの上を走っていきました。一気に四点を入れて逆転しました。
二回表も、エースの子は、走者を許し、やらずもがなの一点を与えてしまう。
相手もなかなかやるな。それにしても、簡単に打たれてしまうじゃないの!
横綱相撲をしているのかしら。
二回裏、味方はゼロ点。このまま進むのかと思われましたが、ふたたびビッグイニングがやってきて、四回裏にホームランも含めて五点を入れる。そのあと、相手も反撃をしますが、こちらが十点となったところで七点差がつき、コールドゲームになりました。
ここ一番で見せた集中打。あれがすべてでした。みんなが試合のやり方というのか、気持ちの出し入れができていて、うまく自分をコントロールできているようでした。これができるのも、彼らは一年の時くらいからずっと試合に出続けていたその経験値がものをいうのでしょう。今スタンドにいる選手たちは、どれくらい現場で成長できるのか、人を育てる難しさがここにあります。
先輩たちはまず一勝しました。これからどれだけ勝ち星を積み重ねられるのか、それはわからないけれど、私たちは彼らの頑張りに励ましを送っていきたいです。
夏の雲 野球で一つの線づくり
夏の雲 校歌を魂でうたう