hakusangogo

生徒の作品を掲載します! どうぞ、よろしく

徹夜明けの朝

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おそらく、ちゃんと寝てないのだと思われます。

事故もなく静かにおしゃべりとかしている分には、それもありかと思いますが、大騒ぎされると、まわりに迷惑だし、寝たい子の邪魔になるから、節度を持って徹夜してほしい。

 

修学旅行とかの夜です。私も眠れなくて、トイレに起きたついでに、街が見える窓のところに行って、少しずつ明るくなる那覇の街を眺めた覚えがあります。

 

那覇の街は、眠れない私みたいな存在を知っているのか知らぬのか、「そんなの気にしないよ」みたいな感じで、静かにキラキラしていました。

 

どこの街も、同じように眠れない旅人を「何をしているの?」と心配してくれるような(こちらが甘えてしまうような)ところがありますが、特に那覇の街は、冬でも秋でもやさしい感じです。夏はどうなんだろう。知らんぷりなんだろうか。

 

おきなわの名のない山の夜景かな 街の街灯輝いていた     男子

 

那覇の街は、意外とボコボコしていました。糸満でも、名護でも、本部でも、地図では山がありそうには見えなかったのに、あちらこちらに坂があるようです。

 

知らない山がたくさんあって、知らない人々が今日も地道に朝を迎えようとしている。なのに、自分は夜更かししてとうとう朝まで起きていた(たまたま眠れなかった?)。

街のあかりをホテルの窓から眺めて、今日のためにもう少し寝るか、それともこのまま起きていようか、「寝なくても大丈夫」と強がるか、そんなこんなの夜明け前みたいな感じですか。後半にもう少し工夫があればよかったのかなぁ。

 

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もうすぐ七月です!

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気づけば6月も下旬になりそうです。あと十日もしたら、今年の半分は終わってしまいます。時間はどうしてこんなに早く過ぎていくんでしょう。

 

だから、せいぜい今できることをしなくては、と思うのです。

 

夏の短歌はいろいろありますが、彼女の作品を取り上げておきましょう。

 

七月のこの暑苦しさイヤだけど、夏にはいっぱい楽しみもある

 

具体的にどんな楽しみがあるとか、あれこれ書いてもらってもよかったんですが、そんなにあれこれ書き込めないし、一つ一つ取り上げてもダメだと判断したんでしょう。

 

とにかく、いろんな楽しみがあるんだ。

でも、楽しみばかり追いかけてもダメなんですよ。イヤなことをたくさん積み重ね、大変な苦労をしないと、せっかくの楽しみもボンヤリしてしまう。

 

だから、ナツの楽しみを味わうための苦労みたいなのも書けたらいいんだけどな。

注文ばかり書きました。そして、自分ができないことばかりお願いしました。

 

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ナツがやってきます。

今、梅雨の中休みで、ネムの花も咲いています。月曜からふたたび雨は降りだすようです。

 

 

おうちへ帰ろう!

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おうちに帰ろう、これをテーマに集めてみます。

 

ああ家に帰りたいなあ家に行こ家に帰って勉強をする     男子

 ホントに「勉強をする」んだろうか。とにかく今の気持ちとして、「学校でしなくていいから、家に帰らせて!」そういう意味じゃなかったのかな。彼が下の句で苦労している感じ、伝わりますね。いかにもウソ、付け足しで書いている感じ。楽しいウソはいいですね。

 

帰り道友だちと空を見て笑い合って楽しかった        女子

 何だかリズムに乗れない歌だなと思ったら、五五五六六で、少しずつ足りていませんでした。これをリズムを意識して作ってもらうとよかったんですけど……。

 

寒い時家に帰ればコタツありみなで家族だんらんへ      男子

 冬の短歌になってしまいました。弓道部の彼には、こういうのんびりした楽しみがあったんですね。ゲームやマンガ、家族とおしゃべり。家って、考えてみるとありがたいものです。そこがあるから、お仕事に行くことができる。逆に言うと、そこで落ち着けなかったら、お仕事や学校も落ち着いていられないかもしれません。

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大粒の雨……

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仲良しの友だちがいました。控えめで、でもしっかり思ったことは口にすることのできる、波長の合う、それこそお友だち。小さいころから仲良くしていた。

学校も同じだし、通学も同じ。お互いに助け合って、励まし合っていました。

ところが、高1の冬、その子は事故でなくなってしまった。

 

つい昨日、一緒におしゃべりして、一緒に帰ったところだったのに、突然いなくなってしまった。

 

もうそれは、どうしようもないことで、でも、ものすごく胸をしめつけられるできごとではありました。

 

大粒の雨が降るよ水の中 止むことのない私の涙

 

それからあとのことは、お葬式とか、家族の話とかあったけれど、その子はそこにいないので、淡々と過ぎていくだけでした。

今、何をしているのか、わからなくなって、「水の中」でボコボコという音だけが響いているような感じがしたのです。

 

それから、学校には行きました。でも、学校も水の中にあるようで、すべてが他人事のように過ぎていっているみたいでした。

美術部コラボ

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先輩、後輩の2人のコラボでいってみましょう。

先輩は、こんな作品を書いています。

 

いつの間に大きくなったと言った親うれしいけれど少しさびしい

 そうなんだ。彼女は、丁寧な絵を描く人でした。あれこれと注文されたものを、それぞれに対応するため時間を削り、ずっと作品作りに取り組んでいました。

 

 そうです。家族思いでもありました。おうちでのひとコマを上手に短歌にも仕立ててくれました。ことばでも、イラストでも、丁寧に落ち着いた対応をしてくれる頼もしい生徒でした。

 

街中を曲と一緒に歩むだけ、それだけでほら、世界は変わる

 

音楽も上手に取り込んで、それで街中をスイスイと歩いていたようです。どんな曲を聞いたのか、私の知るところではないし、たぶん聞いてもわからないでしょう。

 

そして、音楽と現実とをシンクロさせて、世界を変えていたんですね。若い人はとてもしなやかです。そして、したたかでもあります。

 

冒頭の絵は、美術部の後輩の作品で、そのうち彼女の短歌も載せてみることにします。お楽しみに!

サッカー部の子らの歌

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1 集中のとぎれた時はお散歩へ立秋の風空をぼんやり

……クールな彼の作品です。夏休み、学校であれこれしなければならなかった三年生、モヤモヤすることもあったんでしょう。でも、気持ちの切り替えのできる彼は、ひとりで気分転換をしていた。

 

2 寒くなり僕に秋だとわからせる僕の心も秋になる

……高校生のサッカーの季節は、冬というイメージがありますが、本当はナツがメインだと思われます。夏の大会のあれこれが終わったら、やはり新しいチームづくりが行われ、戦力がガラリと変わるみたいです。

 秋は新しいチームとして戦う、または最後の締めくくりとして戦うかどちらかです。決意の季節が秋なのでした。

 

3 誰よりも努力を積みてその努力いつか自分の夢につながる

……高速ドリブルが持ち味の彼は、努力を積み重ねたそうです。知らなかった。もっと淡々と生きていたと思ってました。ああ、ちっとも私はわかってないです。

 

4 やっと来た日ざしが強い青い空今日はとってもサッカー日和

……あの子らは、汗まみれになってサッカーする方が楽しいのでしょう。体も足も動かなくなるけれど、その限界を楽しむように彼らはプレーしている。ぼろ負けしても、仲間割れしても、ひとくさり不平をならせば、もうスッキリ。汗拭きシートできれいサッパリ! サッカー少年はそうじゃなくっちゃ!  

 

5 三年間いろんなことがあったけど忘れはしない高校サッカー

……気持ちとしてはOKです。でも、短歌としてはそのまんま過ぎて、何だか残念な感じです。彼って、そういう硬直したところがありました。サッカーの関係者の皆さんにはもうすごく丁寧な対応をするかと思えば、違う人には大人を小ばかにするような態度・発言をしていました。こういう大人がいるなあと、いやになるくらいのいやらしさ・抜け目なさがありました。そんなのすぐばれることですから、彼らしい自然な態度で、人に接することができる日を楽しみに待ちましょう。短歌はあまりやる気ないだろうな。 

2016年秋の沖縄短歌 その1

今週のお題「修学旅行の思い出」

 

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1・沖縄の海はすごくうきれいですうつくしいです超青い        男子

    ……そのままだけど、雰囲気は出ていますね。

2・はじめての沖縄料理海ぶどうぷちぷちしててちょっと苦手      女子

    ……海ぶどうの食感、年とったらなんでもないものなのにね。

3・沖縄は独特すぎる方言が、どうしていいかわからなかった      女子

    ……どっぷりつかってマネしてみたら、きっと楽しいかもしれない。

4・沖縄のグアバを食って三回とも気持ち悪くてはきそうだった     女子

    ……どうして食べられそうにないものに手を出すのかな。

5・民泊の料理はとてもうまかったサータンダギーと天ぷらとソバ    男子

    ……民泊の家庭的なお味、定番だけど、シンプルでよかったのかも!

6・民泊で食べた果物うますぎるとくにマンゴーうま過ぎだった     男子

    ……マンゴーを食べさせてくれる民泊って、いいですね。

7・沖縄の海でやどかり見つけたよ友だちそれを食べてたよ       女子

    ……おもしろい冗談です。友だちもビックリです。自分がネタにされて!

8・朝早くホテルで起きてバイキングわりとうまくて結構豪華      男子

    ……若い人って、ボリュームのあるものが好きなんですよね。

10・沖縄の海はきれいで透けていてグラスボートに乗ってみたオレ    男子

    ……すごいぞ! 自意識過剰男。エースはこれくらいでなくちゃ!

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11・沖縄の海水濡れて海に落つ塩素まみれで全く乾かず         男子

    ……塩水に塩素ってあるの? たぶんないと思うけど、とぼけた味!

12・ホテルではみんなではしゃぎ楽しいな枕投げして幸せだった     男子

    ……枕投げが楽しい高校生がいるんですよ。おもしろいね。

13・お土産はおきなわワールド買いまくり国際通り食べまくりかな    女子

    ……女子も過剰な人がいます。買う、食べる、あとは飲むだけです。

14・お前らは飛行機怖い俺を捨てみんな怖いが泣きそうだった      女子

    ……みんなさびしがりやだ。本来なら、お互いをかばい合わなくちゃ!

15・沖縄のホテルの夜は楽しいねみんな夜更かし朝起きれねえ      男子

    ……定番の高校生。こんなことが平気でやれるって、いいなあ。

16・沖縄で国際通り行ってきたしゃぶしゃぶとても薄かったよ      女子

    ……国際通りでしゃぶしゃぶを食べるのはやめた方がいいみたいです。